2009年 03月 11日
モーションオフェンス |
僕らが学生の頃の常勝バスケットチームというのはサイズのあるペイントプレイヤーとドリブルとジャンプシュートが上手いPGがいるってのが定説でした。
しかしそこに変革が持たされだしたのは、インディアナ大のボビーナイトというヘッドコーチが残したモーションオフェンスです。今ではNBAで当たり前に使われているシステムも元々はNCAAバスケットで生み出されたものです。
このオフェンスの概要は、ウィークサイドのディフェンスを動かさせ、ストロングサイドからのオフェンスを楽にすることがポイントです。
要するにタブルチームにいかれたりする事がないようにボールを持たない選手が常にパスを貰いに動いているって言う事です。
モーションオフェンスの特徴は、第一に図に書けないということです。図に書けないということは、ナンバープレーと違って、相手にその動きを「スカウト」されないということで、決まった動きがなく、最低限度のルールだけで、あとは選手の判断力と実行力がこのオフェンスを成功させるカギなわけです。
趣味感覚でとある中学校でコーチをしていた事があるのですが、その時僕が使っていたモーションオフェンスのルールは
1、レイアップシュート以外は、シュートする前に最低3回パスを回す。
※常にパスが回ることでディフェンスを揺さぶり、チャンスが生まれます。そこの回数に約束事を設けることで見方同士での動きが読めるという効果があります。
2、3回のパスのうち、少なくとも1回はポストにパスを入れる。
※ポストに入れることによってディフェンスラインが下がり、アウトサイドシュートのチャンスを生みやすくします。
3、レイアップシュートやトラブルから逃げる時、スペースをキープする時、パスの角度を変える時以外、ドリブルを使ってはいけない。
※基本的にドリブルは厳禁です。ドリブルする事でチャンスを見逃してしまうことが良くあるからです。
4、オープンになってボールをレシーブしたら、必ずバスケットを見る。
※パス回しでも常にシュートへの意識があることを印象付けさせることが目的です。
5、エンドラインに近いプレーヤーがスクリーナーになる。
※要するにシュートしやすくゴールに背を向けさせないようにする事が目的です。
基本はこんなところです。
さらにパスとパスの間にドリブルを挟む感じを3回パス→ドリブル→3回パス→ドリブル→1回パス→ドリブル。。みたいな感じに決めておいたり、最終的にシュートする人は決めておくとか。。いろいろあります。
NBAでもモーションを使っているチームは結構ありますが機能しているところもあれば全く機能しないチームも良くあります。
ここ最近エースが居ない方が機能する!!強い!!的なニュースがありました。Tmacがいないロケッツの方が、、とかメロのいないナゲッツの方が、、とか。
何故このような論調が出るのか?鍵はすべてこのモーションオフェンスにあります。
そもそも何故このモーションオフェンスというシステムが生まれたのか?
それは単純な話、ビックマン(突出したスコアラー)が一人でゲームを支配してしまうバスケットに打ち勝つ事を目的に作られたものなのです。
繰り返されるパスの中でディフェンスを翻弄し、外からのフリーのジャンプシュートやイージーレイアップを確実に決める事でポストでスコアしなくても勝てる、という理想を実現させるためのシステムなのです。
それに比べて若い頃からスコアリングが突出していている選手たちは、自分がいる事でモーションオフェンスを活用する必要のない状況に常にいるわけです。
だからプロ入りするまでモーションオフェンスなんてやった事がないって言う選手も多いでしょう。高卒選手なんかは特に。
大体の場合が大学で「ボールを持たないオフェンス」を学ぶものですが、そう言う経験の無いまま素材の評価のみでプロ入りする選手も多くいます。
上の挙げたTmacもメロも高卒に1年中退という選手です。
4年間通い上げてプロ入りする選手とはやはりバスケIQに置いては雲泥の差があるのですね。
特にスウィングマンは身体能力だけの評価でプロ入りしてそこから伸び悩みってパターンが非常に多い。ここ最近ではジェラルドグリーンを筆頭に。。
それだけにチームも選手選びには学歴も考慮すべきでしょう。もうルール上、高卒選手というのは現れない事になってるけど、1年中退の選手とかをドラフトする際はきちんとIQ教育も考慮して欲しいですね。&サマーキャンプでのカリキュラムではそっち方面を重要視してほしいです。
by madu19811101
| 2009-03-11 08:00
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